子宮腟部びらんの写真・画像所見の見方|正常な頸部との違いを徹底解剖
子宮頸がん検診の細胞診で「ASC-US(意義不明異型扁平上皮)」や「LSIL」「HSIL」などの結果が出た場合、確定診断のためにコルポスコピー検査(腟拡大鏡診)が行われます。この検査では子宮頸部を10〜40倍に拡大し、特殊な試薬を用いて病変部を化学的に変化させて観察します。
最初のステップは、3〜5%酢酸液の塗布です。酢酸を塗ると、核密度の高い異形成細胞やがん細胞は光を反射して白く変化します。これを「アセトホワイト病変(Acetowhite: AW)」と呼びます。正常な仮性びらんの場合、円柱上皮部分が一過性に白っぽく見えることはあっても、境界が不整で厚みのある硬い白色化は生じません。一方で中等度〜高度異形成が存在すると、酢酸塗布直後に分厚く不透明なアセトホワイト領域が出現し、その内部に赤く規則的な網目模様(モザイク)やドット状の血管(パンクテーション)がくっきりと浮かび上がります。
続くステップで行われるのが、シラーテストと呼ばれるルゴール液(ヨード液)の塗布です。正常な扁平上皮にはグリコーゲンが豊富に含まれているため、ヨードと反応して濃い黒褐色に染まります。しかし、グリコーゲンを含まない円柱上皮(びらん部)や異形成組織はヨードに染まらず、黄色〜マスタード色の「ヨード不染帯」として残ります。医師はこのヨード不染帯とアセトホワイト所見が重なり合う最も悪性度の高そうな部位をピンポイントで狙い、米粒大の組織を採取(狙い撃ち生検)して病理組織診断へ提出します。
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