木山裕策『Home』誕生秘話!がん宣告から奇跡の歌手デビューまでの全貌
声のリハビリを続けながら日常業務に復帰した木山は、家族に内緒で日本テレビ系のオーディション番組『歌スタ!!』へ応募します。年齢はすでに30代後半。プロの現場では完全に遅咲きとされる年齢でした。木山の動機は芸能界で成功することではなく、ただ純粋に「子どもたちに自分の歌声が録音されたCDを1枚遺したい」という切実な願いでした。
2007年、番組の予選に登場した木山が平井堅の楽曲を歌い上げた瞬間、審査員席にいた音楽プロデューサー・多胡邦夫の目に留まります。多胡は技術の巧拙を超えた、木山の声に宿る独特の哀愁と温かさを見抜きました。一度は不合格の判定が下される厳しい局面もありましたが、多胡は木山の人間性とバックグラウンドに強く惹かれ、彼のために完全なオーダーメイドの楽曲を書き下ろすことを決意します。
そうして生まれたのが『home』でした。多胡自身が木山の人柄や家族への深い愛情、そして闘病の背景を丁寧に汲み取って紡ぎ出したメロディと歌詞は、木山が歌うことで初めて完成する宿命的な楽曲でした。「パパのようになりたい」と語る幼い息子たちの言葉、夕暮れの帰り道、ささやかな団らんの風景。平凡でありふれた、しかし決して当たり前ではない家族の日常を切り取った楽曲は、木山の魂を込めた歌唱によって聴く者の心へ深く突き刺さることになります。
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