鼻くそはなぜ溜まる?耳鼻咽喉科医が明かす構造と正しい掃除術を徹底検証
医学的に「鼻垢(びこう)」と呼ばれる物質の正体は、鼻粘膜から分泌される粘液と、呼吸によって吸い込まれた異物の混合物です。鼻腔の内壁は、無数の微細な線毛(せんもう)と、粘液を分泌する杯細胞で覆われています。この構造はまさに生きた高性能エアフィルターです。
吸気とともに侵入した約0.5マイクロメートル以上の花粉、黄砂、PM2.5、ハウスダストは、粘着性のある鼻水に絡め取られます。通常、線毛は1秒間に約10〜15回の速さで波打つように動き、捕獲した異物を咽頭(のどの奥)へ向けて送り出します。胃へと飲み込まれた粘液は強酸性の胃液によって殺菌処理されるため、健康な状態であれば老廃物が鼻の中に留まることはありません。
しかし、鼻腔内の湿度が低下したり、換気流速が局所的に速くなったりすると、この自浄作用に急ブレーキがかかります。水分を失った粘液はゼリー状から硬質な乾物へと相転移し、鼻腔の気流が渦を巻く前鼻孔付近に付着します。これが鼻垢の生成プロセスです。
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