ボンベイ型とは何か?O型と誤認される恐怖と希少血液の真実を徹底解剖
ABO式血液型の正体は、赤血球膜上の複合糖質に結合した糖鎖の末端構造です。通常、すべてのヒトの赤血球では、まずFUT1遺伝子がコードするフコース転移酵素の働きによって前駆体糖鎖にL-フコースが結合し、「H抗原」が完成します。このH抗原こそが、A型転移酵素やB型転移酵素が作用するための基礎構造となります。
A型であればH抗原の末端にN-アセチルガラクトサミンが、B型であればガラクトースが付加されます。O型はこれらの酵素が機能しないため、H抗原が修飾されずにそのまま残ります。つまり、私たちが日常的に呼んでいるO型とは、「A抗原もB抗原もない状態」ではなく、「H抗原がむき出しになった状態」を意味しています。
ボンベイ型(遺伝子型: hh)の体内では、FUT1遺伝子の両アレルに変異が生じており、活性を持つフコース転移酵素が作られません。土台となるH抗原そのものを合成できないため、たとえゲノム上にA型やB型の遺伝子を持っていたとしても、それらの酵素が結合する足場が存在しません。結果として赤血球膜上にはA抗原もB抗原も、そしてH抗原すらも一切存在しない無垢の状態で循環することになります。
Tags:
ボンベイ 型 と は