阿伏兎観音の絶景は本物か?崖っぷちの朱塗り堂と瀬戸内海の美しさを徹底検証
阿伏兎観音の歴史は平安時代に遡ります。康保年間(964〜968年)、花山法王がこの地に十一面観音石仏を安置し、瀬戸内を行き交う船の航海安全を祈願したのが始まりと伝えられています。阿伏兎岬周辺は潮の流れが極めて速く、古来より航海の難所として恐れられていたため、船乗りたちにとって灯台であり心の拠り所でもありました。
現在見ることができる壮麗な観音堂を再建したのは、安土桃山時代の武将・毛利輝元です。文禄年間(1592〜1596年)に建立されたこの建物は、厳しい海風や塩害に耐えうる頑強な懸造り(かけづくり)の技法が用いられており、1959年には国の重要文化財に指定されました。歌川広重の浮世絵『六十余州名所図会』にも描かれ、近代には文豪・志賀直哉が小説『暗夜行路』の中でその雄大な景観を激賞したことでも知られています。
Tags:
阿 伏 兎 観音