たまり醤油と濃口の違いは何?伝統の作り方と旨味2倍の正体を徹底解説

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たまり醤油のルーツは、鎌倉時代から室町時代にかけて作られた豆味噌(八丁味噌など)の熟成中に、桶の底にじんわりと滲み出た液体「溜(たまり)」にあります。現在、専門の蔵元で行われている伝統的な製造プロセスは、濃口醤油とは全く異なる独自の職人技によって支えられています。

工程1:大豆の浸漬・蒸煮(じょうしゃ)と「味噌玉」造り

まず厳選された丸大豆(または脱脂加工大豆)を水に浸し、圧力釜や甑(こしき)で柔らかく蒸し上げます。濃口醤油の場合はここで炒って砕いた小麦を混ぜますが、たまり醤油では蒸した大豆をすり潰し、ピンポン玉からソフトボール大の球状に丸める「味噌玉(みそだま)造り」を行います。なぜ丸めるのかというと、塊にすることで表面と内部の水分差を生み出し、麹菌の酵素力を極限まで高めるためです。

工程2:製麹(せいきく)で「大豆麹」を育てる

丸めた味噌玉の表面に種麹(たねこうじ)をまぶし、温度と湿度が厳密に管理された「麹室(こうじむろ)」へ引き込みます。約3〜4日間かけて大豆の内部まで菌糸を食い込ませ、タンパク質を分解するプロテアーゼ酵素を大量に持った大豆麹(豆麹)を完成させます。

工程3:極限まで水を減らす「仕込み」

完成した大豆麹を砕き、食塩水(仕込み水)と一緒に巨大な杉桶(木桶)へ仕込みます。ここで注目すべきは仕込み水の少なさです。濃口醤油が原料の1.2倍以上の塩水を入れるのに対し、伝統的な「五分仕込み」や「十水(とみず)仕込み」のたまり醤油は、大豆の半分から同量程度の塩水しか加えません。仕込んだ直後の諸味(もろみ)は、液体というより硬い粘土や味噌そのものに近い状態です。

工程4:「汲みかけ」と1〜3年の長期発酵・熟成

水分が少ないため、濃口醤油のように空気を送り込んでかき混ぜる「櫂入れ(かいいれ)」ができません。その代わりに行われるのが、桶の底に設けられた竹の筒(簀・す)に滲み出た液体を柄杓で汲み上げ、諸味の上から丁寧にかける「汲みかけ(くみかけ)」という作業です。蔵に住み着く乳酸菌や酵母の働きを助けながら、桶の上に数トンの石を積み上げ、1年から長ければ3年以上の発酵・熟成期間を経て、黒褐色でとろみのある液体が育まれます。

工程5:生引き(きびき)と圧搾・火入れ

熟成を終えた諸味から、圧力をかけずに重力だけで自然に滲み出た液体を抜く作業を「生引き(きびき)」と呼びます。この生引きで採れた一番搾りのたまりは、雑味がなく最高峰の味わいを誇ります。その後、残った諸味を布に包んで圧搾機で搾り(この際の搾りかすも濃厚な旨味を持つため豆味噌や加工用として重宝されます)、火入れ(加熱殺菌と香りの調整)を経て瓶詰めされます。

Chloe Bennett

Chloe Bennett

Culture, Media & Entertainment Columnist

Chloe Bennett explores the intersection of pop culture, streaming entertainment, digital trends, and contemporary lifestyle. Her weekly commentary reaches thousands of culture enthusiasts.

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