広瀬香美はなぜ作詞で心がズタズタに?曲より歌詞が絶賛された真相を徹底追跡
広瀬香美の音楽的ルーツは、4歳から始めたピアノと絶対音感、そして国立音楽大学音楽学部作曲学科で培った徹底的なクラシック音楽教育にあります。マイケル・ジャクソンのプロデューサーに弟子入りするため渡米するなど、彼女自身の矜持は「作曲家・アレンジャー」として極めて高い場所に位置していました。緻密に計算された転調、テンションコードの配置、ボーカルの倍音設計。彼女にとって楽曲とは、音楽理論を総動員して磨き上げた工芸品そのものでした。
一方、作詞は違いました。彼女にとって作詞は専門外であり、メロディの完成度を高めるための「仮の言葉」に近い存在でした。タイアップの締め切りに追われ、深夜のスタジオの片隅で「泣きながら書いていた」と本人が振り返るほど、作詞作業は苦痛と困惑の連続だったのです。「週休二日」「性格重視」といった世俗的で少し露骨なフレーズは、苦肉の策としてひねり出された言葉でした。
ところが、シングルが発売されるや否や、メディアや大衆が激賞したのは「共感できる面白い歌詞」でした。自らが血を削って設計したコード進行や転調の技巧にはほとんど言及されず、「歌詞がウケる」「合コンあるある」と軽妙に消費されていく現実。誇りを持っていたメロディや編曲が素通りされ、最も自信のなかった歌詞ばかりが評価される事態に、彼女の音楽家としての自尊心はズタズタに引き裂かれました。
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広瀬 香美 ロマンス の 神様 歌詞