プリプリ「M」はなぜシングルA面ではなかったのか?名曲誕生の知られざる歴史と制作裏話を徹底解説
1996年のバンド解散後も、『M』の生命力は衰えるどころか加速していきました。その決定打となったのが、数々の実力派シンガーたちによるカバー曲の連鎖です。
2009年にタレント・歌手のつるの剛士がカバーアルバム『つるのおと』で『M』を歌い上げ、同作がオリコン週間ランキングで上位に食い込む大ヒットを記録。男性ボーカル特有のエモーショナルなハスキーボイスで歌われたことで、「女性の失恋歌」という固定観念が崩れ、男性層にもカラオケの定番曲として急速に浸透しました。さらに、徳永英明の『VOCALIST』シリーズや華原朋美をはじめとする歌姫たちによる再解釈が相次ぎ、楽曲の普遍的なメロディ強度が証明され続けました。
サブスクリプション全盛の現代においては、昭和・平成のレトロポップを再発見するZ世代のプレイリストにも自然な形で入り込んでいます。デジタルネイティブの若者たちにとっても、未読無視やブロックといった現代の希薄なコミュニケーションにはない、「手帳のアドレスを指でなぞる」という濃密な情念が、かえって新鮮でエモーショナルな体験として響いているのです。
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