マリーナベイサンズ傾きの証拠は?最大52度の構造美と工学の全貌
タワーの上部に君臨するのが、全長340メートルを誇る巨大な片持ち梁構造「サンズ・スカイパーク」です。エッフェル塔を横倒しにした長さを超えるこの空中庭園には、世界的に有名なインフィニティプールが鎮座しています。しかし、構造力学の視点から見ると、独立した3つの超高層タワーの上に1枚の巨大な剛体を載せる行為は、極めて危険な破壊リスクを伴います。
風や微小地震によって、3棟のタワーはそれぞれ異なる周期で複雑に揺れ動きます。もしスカイパークがタワーと完全に固定されていれば、タワー間のねじれと引き裂き応力によって屋上構造物は瞬時に破損します。
設計チーム(構造設計を担当したアラップ社)は、スカイパークを4つのブロックに分割し、タワーと屋上デッキの接合部に滑り支承(カスタム設計のベアリング機構)と伸縮継手(エキスパンション・ジョイント)を配置しました。これにより、風速数十メートルの強風下でも、各タワーは屋上構造を破壊することなく独立して揺れることができます。
さらに、地上約200メートルで1,424立方メートル(約1,400トン)の水量を抱えるインフィニティプール自体も、高周波振動やタワーの揺れを直接受けないよう、独立したステンレス製トラフ(水槽)をジャッキアップシステムで微調整可能な浮遊構造として設計されています。耐震性と安全性を担保しながら、水面が空へと溶け込む視覚体験を物理的に成立させているのです。
Tags:
マリーナ ベイ サンズ 傾き