吉高由里子19歳の転機と軌跡|蛇にピアス抜擢から大河女優へと駆け上がった20年の全貌
映画『蛇にピアス』の中核をなすのは、舌に穴を開け、徐々に拡張して蛇のように二つに割く「スプリットタン」をはじめとする身体改造の世界です。吉高由里子演じるルイは、夜の渋谷で出会ったアマ(高良健吾)の割れた舌に魅了され、自らも舌ピアスを開け、背中に龍と麒麟の刺青を彫り込んでいきます。
撮影現場において蜷川幸雄監督の要求は過酷を極めました。感情の嘘を一切許さない演出のもと、吉高由里子は実際に舌ピアスを開けたかのような錯覚を観客に抱かせるCG技術と卓越した身体表現を融合させ、ルイという傷口そのものになりきりました。痛みを通じてしか自らの存在を確かめられない少女の孤独を、彼女は理屈ではなく動物的な直感で体現したのです。
共演者陣の化学反応も見逃せません。全身にタトゥーとピアスを施しながらもルイを一途に愛するアマ役の高良健吾、そして妖しく危険な刺青師・シバ役を演じた井浦新(当時はARATA名義)。この二人の異質な才能とぶつかり合う中で、吉高由里子の存在感はスクリーンを圧倒しました。肉体的な露出や暴力を伴うハードなシーンが連続する中、彼女が見せた眼差しの冷徹さと無垢さは、公開から時を経た今なお日本映画史における特異点として輝いています。
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