マリーナベイサンズ傾きの証拠は?最大52度の構造美と工学の全貌
マリーナベイ・サンズの傾斜を語る際、引き合いに出されるのがイタリアの「ピサの斜塔」です。ピサの斜塔の傾斜角は約3.97度(修復前で最大約5.5度)。これに対し、マリーナベイ・サンズのタワー1が描く外側のレッグ(脚部)の最大傾斜角は、垂直面に対して約26度、地面に対する角度としては最大52度に達します。ピサの斜塔の約6倍に及ぶ鋭角なせり出しが、鉄筋コンクリート造の超高層タワーで実現している計算になります。
なぜこのような極端な形状が生まれたのか。世界的建築家モシェ・サフディ(Moshe Safdie)が求めたのは、トランプのカードを広げたような優美な末広がり構造でした。各タワーは2つの脚部(ストレートな西側構造と湾曲した東側構造)が地上から立ち上がり、23階部分で合体してひとつの建屋になります。足元を大きく開くことで地上レベルに光と風を呼び込み、シンガポール市街と植物園をつなぐ視覚的コリドー(回廊)を形成する都市計画上の必然性から導き出された幾何学でした。
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