坂本九の遺作心の瞳の決定版とは?マスター音源発掘と奇跡の再商品化の全貌
『心の瞳』が誕生したのは1985年。作詞を担当した荒木とよひさ氏と、作曲を手がけた三木たかし氏の名コンビによって生み出されました。当時、坂本九さんは従来の明るいコミカルなイメージから脱却し、40代の大人の歌手として新たな境地を切り拓く楽曲を求めていました。
荒木氏が歌詞に込めたのは、飾らない日常の中で育まれる揺るぎない夫婦の情愛です。「いつか若さを失くしても」「心の瞳で君を見つめれば」というフレーズは、坂本九さんが妻である柏木由紀子さんに日頃から注いでいた眼差しそのものでした。坂本さんはレコーディングの帰り道、自宅でデモテープを柏木さんに聴かせ、「僕たちの歌だよ」と誇らしげに語ったというエピソードが残されています。
しかし、シングルリリースからわずか数か月後の1985年8月12日、日本航空123便墜落事故により坂本九さんは43歳の若さで帰らぬ人となりました。プロモーション活動は中断を余儀なくされ、レコード自体も一般の流通ラインから姿を消すことになります。こうして楽曲は「悲運の遺作」として封印されたかに見えました。
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